公開日:2025年7月30日
最終更新日:2025年7月30日

ホテル業界は、比較的離職率が高い傾向にあります。
離職率の高さには長時間労働といったホテル業界特有の事情がある一方、スキルアップや新たなチャレンジを目的とした前向きな転職が多いことも特徴です。また、日々多様な業務やお客様対応を通じて成長を実感でき、キャリア形成を目指す方にとって魅力的な業界といえます。
この記事では、ホテルの離職率が高い理由や長く働くためのコツを紹介します。
ホテル業界の離職率
厚生労働省が発表した令和5年 雇用動向調査結果によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は26.6%です。これは全産業の15.4%に比べると高い水準となっており、他の業界に比べて離職率が高いことが分かります。
一方で、宿泊業・飲食サービスへの入職率は32.6%となっており、離職率を上回っているのが特徴です。このデータから、業界内での人材の流動性が高く、スキルアップや新たなチャレンジを目的とした前向きな転職が多いといえます。
そのため、ホテル業界は他産業に比べて離職率が高い傾向にあるものの、業界としては人材の流動性が活発です。
なお、宿泊業の就職難易度に関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
ホテル業界の離職率が高い理由
ホテル業界の離職率が高い理由として、業界特有の特徴や事情があります。
ここでは、ホテル業界の離職率が高い理由を解説します。
長時間労働が多い
ホテル業界の離職率が高い理由として、長時間労働が多く、従業員の心身の負担が大きくなることが挙げられます。
ホテルは24時間365日営業のところが多く、シフト制で早朝や深夜の勤務が発生しやすいのが特徴です。特に繁忙期になると宿泊客が増加し、スタッフ一人ひとりの負担や労働時間も長くなりやすくなります。
また、慢性的な人手不足に陥っているホテルも多く、限られた人員で業務を回すため、労働時間が長くなりがちです。このような環境下で、従業員は健康リスクが高まったり、プライベートの両立が難しくなったりするため、結果として離職率の高さにつながっています。
休日数が少ない
ホテル業界は、他業種と比べて休日数が少ないことも離職率の高さの要因になっています。
ホテルは土日祝日や大型連休、年末年始も営業しているため、カレンダー通りに休めることはほとんどありません。また、人手不足の影響で希望通りの休暇が取れないケースも多くあります。
このような環境下では、十分な休息が取れず、家族や友人と予定を合わせにくいことから、心身の疲労やストレスが溜まって離職を選ぶ人が多くなります。
クレーム対応が大変
ホテル業界の離職率が高い理由として、クレーム対応の大変さが挙げられます。
ホテルは多様なゲストにサービスを提供し、日常的に発生するさまざまな要望やトラブル、理不尽なクレームに対応しなければなりません。クレームへの対応が続くと、精神的な負担が大きくなり、職場の人間関係やチームワークに影響する場合もあります。
こうした負担が積み重なることにより、結果的に離職を選ぶ人が多くなります。
スタッフ一人あたりの業務負担が大きい
ホテル業界では、スタッフ一人ひとりの業務負担が大きいことも離職率の高さにつながっています。
フロント業務だけでも、接客や予約、キャンセル対応、電話対応など、多岐にわたる業務を同時にこなさなければなりません。さらに人手不足が深刻なホテルでは、限られた人員で複数の業務を掛け持ちするケースも多く、業務量が多くなります。
このような状況下においては、心身の負担が大きくなりやすく、業務量と給与が見合わないと感じるスタッフが多く、離職を選ぶ人が増えています。
需要が増加している
ホテル業界の離職率が高まっている理由として、ホテル業界の需要が増加し、転職の選択肢が増えたことも挙げられます。
近年はインバウンド回復や国内旅行の活性化により、ホテル業界の市場が拡大し、新規ホテルの開業も増えているのが現状です。これにより求人も増加傾向にあり、ホテル業界で働く人にとっては、より良い条件や自分に合った職場を求めて転職しやすい環境が整っています。
その結果、業界内でのキャリアアップや新たなチャレンジを目指す人が増え、離職率の高さにつながっています。
ホテルで働く魅力は多い
ホテルは離職率が高い業界ですが、前向きな転職も多いように働く魅力もたくさんあります。
ここでは、ホテルで働く魅力について解説します。
ホワイトで働きやすいホテルがほとんど
近年、ホテル業界では働きやすさを重視したホワイトな職場づくりが進んでいることが特徴です。
従来は長時間労働や休日の少なさ、業務負担の重さが離職率の高さにつながっていましたが、現在は多くのホテルが労働環境の改善に取り組んでいます。ブラック企業と呼ばれるようなホテルはごく一部であり、多くのホテルで長く安心して働ける環境づくりへの意識が高まっています。
ただし、繁忙期や小規模のホテルでは、依然として業務負担が大きいなど、すべてのホテルがホワイトとは限りません。就職や転職でホテルを探す際には、福利厚生や労働環境、雰囲気などを事前に確認しておくことが大切です。
従業員の満足度を上げる取り組みをしているホテルが増えている
近年、多くのホテルで従業員満足度(ES)を高めるための具体的な取り組みが進んでいます。
これは、従業員が安心して長く働ける環境を整えることが、サービス品質や顧客満足度の向上、離職率の低下につながると認識されているためです。
例えば、シフト管理や休日取得ルールの見直し、適切な人員配置、残業管理の徹底など、働きやすい勤務体制を整備しているホテルも多くあります。
また、定期的な研修や異動制度、スキルアップのためのプログラムを導入し、従業員のモチベーションを高める取り組みも増えています。
ハイレベルな接客スキルが身につく
ホテルで働く魅力の一つは、ハイレベルな接客スキルが自然に身につくことです。
ホテルの現場ではさまざまなお客様に対し、単なるマニュアル対応だけでなく、一人ひとりに合わせたきめ細やかなおもてなしが求められています。これにより、お客様の表情や言動からニーズを察知し、期待を超えるサービスを提供する力が養われます。
また、近年はインバウンド需要の高まりにより、英語や中国語などの言語スキルが自然に身につきやすいことも特徴です。
さらにサービス接遇検定やホテル実務技能認定試験など、資格取得支援を積極的に行っているホテルも増えています。
さまざまな職種を経験できる
ホテルで働く魅力として、さまざまな職種を経験できることも挙げられます。
ホテル業界には、フロントクラーク、コンシェルジュ、ハウスキーパー、施設管理、営業職など多彩な職種があります。このため、一つのホテル内で複数の職種を経験できるチャンスがあり、自分の適性や興味に合わせてキャリアを広げることが可能です。
例えば、同じホテル内で異動することなく、フロントで接客スキルを磨いたあとに、施設管理や事務職など異なる分野にチャレンジできる場合もあります。
また、近年はホテル間の異動や海外勤務のチャンスも増えており、グローバルなキャリアを形成することもできます。
ホテルの仕事が向いている人の特徴
ホテルの仕事はどのような人に向いているのでしょうか。
ここでは、ホテルの仕事に向いている人の特徴を解説します。
人と話すことが好きな人
ホテルの仕事に向いている人の特徴は、人と話すことが好きな人です。
ホテルではフロント、レストラン、ルームサービスなど、さまざまな場面でお客様と直接コミュニケーションを取る機会が多くあります。人と話すことが好きな人は、初対面のお客様とも気軽に会話を楽しむことができ、会話からお客様の要望や気持ちを自然に引き出すことも可能です。
また、積極的に声をかけたり、話題を提供したりすることで、お客様に特別感や安心感を与えることにもつながります。
ホテルの仕事では、聞く力と話す力のバランスが重要であり、特にお客様の話にしっかり耳を傾け、言葉にされないニーズや期待を読み取る傾聴力も欠かせません。丁寧な受け答えや分かりやすい説明ができることで、お客様は安心して滞在できます。
外国語が好きな人
外国語が好きな人も、ホテルの仕事に向いている人の特徴です。
ホテルには国内外から多様なお客様が訪れるため、英語をはじめとする外国語を使う機会が多くあります。特にフロントやレストラン、コンシェルジュなどの職種では、チェックインやチェックアウト、観光案内、トラブル対応などは、英語や外国語でのコミュニケーションが欠かせません。
そのため、語学力を活かして多様な人と関わりを持ち、グローバルなキャリアを築きたい方にホテルの仕事は最適です。さらに仕事を通して多国籍のお客様と接することにより、異文化理解や国際的なマナーも自然と身につくメリットもあります。
チームで働くことが好きな人
ホテルの仕事に向いている人の特徴として、チームで働くことが好きな人が挙げられます。
ホテル業界では、フロント、客室清掃、レストラン、調理など、多くのスタッフがそれぞれの役割を担いながら1つのチームとしてお客様にサービスを提供します。
ホテルの業務は一人で完結するものではなく、スタッフ同士がコミュニケーションを取って連携し、助け合いながら進めなければなりません。
例えば、フロントで受けたお客様の要望をレストラン部門と連携することや、大規模なイベントなら複数の部門が協力して準備や運営を行います。このため、チームで働くことが好きな人は、ホテル業界で自分の強みを発揮できます。
体力がある人
ホテルの仕事に向いているのは体力がある人です。
例えば、ハウスキーパーのスタッフは決められた時間内に効率よく複数の部屋を回り、清掃や備品の補充を行う必要があります。広い施設内を頻繁に移動するため、歩く距離も長く、日常的に体を動かすことになります。
また、レストランのサービススタッフも、ホール内を絶え間なく動き回り、ピーク時には多くのテーブルを回って配膳やオーダーを行わなければなりません。フロントなどの宿泊部門においても、シフト制や夜勤があり、不規則な生活リズムに対応できる体力が不可欠です。
このように、体力がある人はホテルの仕事で強みを発揮することができます。
臨機応変に対応できる人
臨機応変に対応できる人も、ホテルの仕事に向いている人の特徴です。
ホテルの仕事では、お客様からの要望や急なトラブル、変更などが多く発生します。例えば、客室の急な変更やレストランでのアレルギー対応、設備トラブルなどです。
このようなトラブルに対し、マニュアル通りにいかない状況になることも多くあります。臨機応変に対応できる人は、こうした場面で状況を素早く判断し、最適な対応を考えて行動することが可能です。その結果、お客様からの信頼も得やすく、職場でも重宝されます。
また、スタッフ同士の連携や情報共有も重要となるため、コミュニケーションや柔軟性を兼ね備えていることも大切です。
まとめ
ホテル業界は、全産業平均に比べると離職率が高い特徴があります。
その背景には長時間労働や休日の少なさ、クレーム対応の多さなど、業界特有の労働環境があります。一方で、スキルアップやキャリア形成を目指して前向きに転職する人も多く、人材の流動性が高いことも特徴です。
近年は働きやすさを重視した職場づくりや、従業員満足度向上の取り組みも進みつつあります。ホテル業界で長く働くためには、自分に合った職場を選び、知識や実務力を身につけることが大切です。
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