ホテルの夜勤スタッフを始めるとき、日勤とは業務内容が異なるため、事前に把握したうえで就労を検討する必要があります。
また、夜勤は昼夜逆転の生活をおくることになるため、自分のライフスタイルに適しているかを判断することも大切です。
この記事では、ホテル夜勤の主な仕事内容、メリット、デメリット、向いている人の特徴について詳しく解説します。
「ホテルの夜勤スタッフを理解したうえで面接を受けたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ホテル夜勤の主な仕事内容
ホテルの夜勤スタッフの主な仕事内容は、日勤者からの引継ぎやチェックイン・チェックアウト対応、事務作業、見回り・清掃作業、朝食の準備など多種多様です。
ここでは、ホテルの夜勤スタッフの主な仕事内容について詳しく解説します。
日勤者からの引継ぎ
ホテルの夜勤スタッフは、日勤者からの引継ぎから始まります。
基本的に、ホテルは24時間365日営業しているため、スタッフは早番・遅番の2交代制もしくは中番を含めた3交代制が一般的です。
1日のルーティンとしてはまず早番が出勤し、次に中番もしくは遅番が出勤して交代となるため、夜勤者は日勤者からの引継ぎが必要となるでしょう。
引継ぎでは、宿泊客からのクレームやリクエストに関する共有、結婚式やパーティーの運営に関する共有、その他イレギュラーな事柄に関する共有などが行われます。
ただし、日勤者と夜勤者では仕事内容が変わるため、注意が必要となるでしょう。
諸々の準備を済ませたら、本格的に夜勤開始です。
チェックイン・チェックアウト対応
フロント業務では、チェックイン・チェックアウト対応が必要となります。
宿泊客によっては夜中にチェックイン・チェックアウトする人がいるため、適宜対応が必要です。
チェックインでは予約があるかを確認して宿泊者名簿に記入、チェックアウトでは精算があるかを確認して会計を行います。
状況によっては「一時的に外出するから荷物を預かってほしい」とお願いされる場合があるため、柔軟に対応することが重要です。
事務作業
予約受付や予約管理など、事務作業はフロント業務の重要な仕事の一つです。
主に、宿泊者に関するデータをまとめたり、共有次項についてノートやメモに記載したりします。
事務作業の間に、翌日の宿泊予定者のリスト作成や団体客・VIP顧客への準備、対応に注意が必要な宿泊客の情報共有を済ませるようにしましょう。
特記事項がある場合は、同じ夜勤のメンバー・支配人に共有します。余力があれば、翌日の準備を先行して行うなど、臨機応変な対応が重要です。
見回り・清掃作業
ホテルでは定期的にトラブルが発生するため、見回りや清掃作業が必要です。
状況によっては宿泊客からの内線が鳴る場合があるため、適宜対応します。
設備の不具合やアメニティの追加、モーニングコールの依頼など、内線には常に気を張っていなくてはなりません。
夜間は昼間と比べて内線があまり入らないものの、すぐに対応できる準備が必要です。あわせて、フロント周辺やロビー周辺の掃除を行います。
なお、見回りや清掃業務は警備員・清掃員に任せているホテルもあるため、夜勤でどこまで対応するのかはあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
朝食の準備
ホテルによっては朝食の準備が必要となります。
大きなホテルはフロントと調理場の担当者が分かれているものの、小さなホテルは夜勤が食材の運搬や整理を行う場合もあります。
繁忙期は朝食を数十人分~数百人分ほど用意しなければならないため、ヘルプを求められることがあると認識しておきましょう。
ホテル夜勤のメリット
ホテルの夜勤スタッフは、夜勤手当がついたり、落ち着いて仕事ができたりとメリットが豊富です。
ここでは、ホテル夜勤のメリットについて詳しく解説します。
夜勤手当がつく
夜勤で働く場合、夜勤手当がつきます。日勤者と比べて夜勤者は数%~数十%ほど収入アップが見込めるため、稼ぎたいと思っている人にとっては魅力的です。
労働基準法により、深夜労働の22時~翌5時の間は25%の賃金を割り増ししなくてはならないと定められているため、効率的に稼ぎたい人には向いているでしょう。
落ち着いて仕事ができる
日中と比べて夜中は宿泊客からのリクエストが比較的少ないため、落ち着いて仕事ができます。
チェックイン・チェックアウトなどのフロント業務、コートや荷物を預かるクローク業務、その他のサービス業務が限られるため、自分のペースで働きたい人におすすめです。
上司がいない
夜勤は上司がいないため、比較的プレッシャーを感じることなく働けます。
上司との関係がどれほど良好でも、やはり常に上司がいると気を張ってしまったり、本来の力がなかなか発揮できなかったりする人もいるでしょう。
しかし、夜勤では上司と一緒に働く場面が少なくなるため、気を遣わず働くことが可能です。
状況によっては上司が出勤している場合もありますが、日勤と比べるとプレッシャーは感じにくいでしょう。
接客が苦手な人でも働きやすい
昼間と比較すると夜間は宿泊客が多くないため、接客が苦手な人手も働きやすいです。
夜は昼と比べて接客頻度が少ないため、コミュニケーションがあまり得意ではない人でも働けます。
最近は外国人観光客への対応を求められる場面がありますが、夜勤は比較的限られているため、言語力に自信がなくても問題なく働けるでしょう。
ただし、英語・中国語・韓国語はある程度話せた方がスムーズに対応できるため、余力があれば言語力を磨いておくのが良いかもしれません。
平日の昼間を自由に使える
夜勤の勤務時間は22時~翌5時前後となるため、平日の昼間を自由に使えます。
土日祝日や夜間は仕事で埋まりやすいですが、その他の時間は比較的自由です。
勤務後に仮眠や休憩を取ったとしても昼から夜にかけて自由に過ごせるため、ランチに出かけたり、気になっていたお店に行ったりするのも難しくありません。
どこへ出かけてもあまり混雑していないため、行きたかった場所でのんびりと過ごすという贅沢な時間の使い方ができるでしょう。
ホテル夜勤のデメリット
ホテルの夜勤スタッフは、昼夜逆転の生活になったり、緊急時に対応を求められたりといくつかデメリットがあるため、注意が必要です。
ここでは、ホテル夜勤のデメリットについて詳しく解説します。
昼夜逆転の生活になる
夜勤は日中に寝て夜中に働くため、どうしても昼夜逆転の生活になりやすいです。
自律神経や生活リズムや乱れることで、体調不良になることがあります。
しかし、夜勤は途中で仮眠時間や休憩時間が設けられているため、人によっては「想像していたよりはきつくなかった」と感じるでしょう。
ホテルマンはシフト制が基本で常に夜勤だけ任せられることは稀であるため、昼夜逆転生活に対して過剰に心配する必要はありません。
緊急時に対応を求められる
夜勤として働く場合、保安要員としての役割も担っているため、緊急時に対応を求められます。
深夜ともなると、お酒に酔った宿泊客のトラブルを対処したり、イレギュラーなリクエストが入ったりする場面もあります。
ただし、緊急時の対応が必要なのは日勤も同じであるため、夜勤だけが苦労するとはいえません。
ホテルマンである以上、ホテルで起こるトラブルを解決するのも仕事の一部であるため、万が一の事態にも柔軟に対応できるよう準備しておくのが望ましいです。
一緒に仕事をする仲間が少ない
一緒に仕事をする仲間が少ないのは、夜勤特有の悩みといえるかもしれません。
日勤者と夜勤者の人数を比べると、どうしても夜勤の方が人数は限られます。日勤は幅広い仕事仲間と一緒に働けますが、夜勤は2人~3人ほどしかいない場合が多いです。
一方で、人間関係に関する悩みはあまりないため、人によってはストレスフリーで働けるのがメリットにもなります。
接客機会が少ない
夜勤は接客機会が少ないため、人と関わるのが好きで働き始めた人はギャップを感じるでしょう。
コミュニケーション能力を活かそうと思って働き始めたのに、全然人と関わる機会がないという場合があります。そのため、人と話すのが好きな人によっては苦痛に感じるはずです。
一方、接客が限られていてクレームやリクエストが多くないため、宿泊客からの苦情や要求に答えなくて済むのは魅力ともいえるかもしれません。
家族や友人と予定が合わせづらくなる
家族や友人と予定が合わせづらくなるのは、サービス業の宿命です。
ホテルマンは平日に休んで土日祝日に働くのが原則となるため、どうしても予定を合わせるのが難しくなります。
結果的に家族や友人と距離ができてしまい、孤独感を抱くかもしれません。
ただし、1人で過ごすのが好きな人にとってはむしろ好都合です。平日休みになることが多いため、土日祝日のような混雑を避けてグルメ・ショッピング・旅行などを楽しめます。
比較的空いている娯楽施設を利用できるのも、サービス業に従事する人の特権といえるでしょう。
ホテル夜勤に向いている人の特徴
ホテル夜勤に向いている人は、夜型の生活に慣れている人、環境に適応するのが得意な人、体調管理ができる人、効率的に収入を得たい人、事務作業が苦にならない人などです。
ここでは、ホテルの夜勤スタッフに向いている人の特徴について詳しく解説します。
夜型の生活に慣れている人
夜型の生活に慣れている人にとって、ホテルの夜勤スタッフは働きやすい職種といえるでしょう。
普段から昼型の生活を送っている人にとって、夜勤は慣れるまでが大変です。しかし、最初から夜型であれば夜勤にもすぐに適応できます。
夜型の人ほど肉体的・精神的な負担を感じにくいため、夜勤が向いているのではないでしょうか。
環境に適応するのが得意な人
ホテルの夜勤スタッフは、環境の変化に柔軟に対応できる人に向いているといえます。
今まで日勤の仕事をしていた人が夜勤の仕事を始めると、環境の変化についていけない場合があります。しかし、環境適応能力に優れている人は、意外とすんなり適応可能です。
定期的にトラブルが発生するホテルでは、臨機応変に対応できる人が求められるため、環境適応能力に自信がある人はぜひ挑戦してみてください。
体調管理ができる人
夜中に働くのは日中に働くのに比べて体力・気力を使うため、体調管理ができる人に向いています。
自分自身の体調をコントロールできないとストレスを溜め込んでしまい、結果的に退職せざるを得ない状況となるかもしれません。
体調管理はどの仕事をする上でも重要となるため、まずは自分自身がどれくらい働けるのかを把握することが重要です。
効率的に収入を得たい人
夜勤は手当が支給されるため、効率的に収入を得たい人におすすめです。
労働基準法により22時~翌5時まで働く場合は25%の手当が支給されるため、効率的に稼げます。
貯金を作りたい人や副業をしたい人は、夜勤で稼いでみてはいかがでしょうか。
事務作業が苦にならない人
事務作業が苦にならない人は、夜勤が向いているでしょう。
夜勤は接客業務よりも事務作業がメインとなるため、宿泊客のデータ入力やリスト作成が好きな人に最適です。
黙々と行う作業が苦にならない人にとっては、むしろ夜勤の方が向いています。
まとめ
ホテルの夜勤スタッフは日勤とは異なる業務があるため、メリット・デメリットも人によって捉え方が異なります。
例えば、夜勤手当がつくことで効率的に稼げたり、人が限られていることで落ち着いて仕事ができたりと、夜勤ならではの魅力は多いです。
上司がいない点や接客が苦手な人でも働きやすい点、平日の昼間を自由に使える点など、夜勤だからこそ得られる恩恵は少なくありません。
もしホテルで働きたいと考えている場合は、夜勤での勤務を考えてみてはいかがでしょうか。
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