ホテルで働く正社員の仕事はきついという人もいますが、実際には魅力的なメリットがたくさんある職業です。
お客さまのクレーム対応や、体力勝負の業務などがきついと感じても、感謝される機会が多いことや、語学力の上達ができる点など、仕事のやりがいを感じられる場面が多々あります。
この記事では、ホテルの正社員はきついのか、きついといわれる理由、基本的な仕事内容、メリット、向いている人の特徴について詳しく解説します。
ホテルの正社員はきついって本当?
ホテルの正社員がきついと感じるかどうかは人によって異なるため、きつくないとは一概にいえません。
華やかな仕事と思って就職したものの、現実とのギャップに驚く人も中にはいます。そのため、部署ごとに異なる仕事内容を充分に理解したうえで就職を検討するのが望ましいです。
しかし、大変なことばかりではなく、嬉しいことや楽しいことも日常的にたくさんあります。
お客さまをおもてなしするホテルの仕事に、大きなやりがいを感じて働いている人も多いです。
人と接することが好きで、ホテルの正社員に適性のある人にとっては天職であり、魅力的なキャリアプランを歩むこともできます。
ホテルの正社員がきついといわれる理由
ホテルの正社員として働く場合、理想と現実に大きなギャップを感じないためにも、どのような仕事がきついのか理解しておくことが大切です。
ここでは、ホテルの正社員がきついといわれる理由について詳しく解説します。
クレーム対応がある
ホテルの正社員がきついといわれる理由の一つが、クレーム対応がある点です。
求めているサービスを受けられなかったことに対してクレームが入ったり、清掃が行き届いていなかったことに対してクレームが入ったりします。
他にも、設備が故障していた場合や備品が不足していた場合など、日常的にクレームが発生する可能性があります。状況によっては、激怒しているお客さまへの対応が必要となる場合があるでしょう。
こうしたクレーム対応に対して、メンタル的にきついと思う人は珍しくありません。しかし、どのサービス業でもクレーム対応は当たり前に発生する業務です。
業務経験を通じて上手なクレーム対応の術が身につけていけば、きつさもどんどん薄れていきます。
急なシフト変更がある
これはホテルの正社員に限らない例ですが、急なシフト変更が発生した際、休日が取れなくなることがきついと感じる人もいます。
例えば、体調不良や育児介護などの理由でシフト変更を余儀なくされることも珍しくなく、休日だったにもかかわらず突然シフトが入る可能性があります。
宿泊施設は平日・土日祝日関係なく営業している場合がほとんどであるため、暦通りに休暇をもらうことは難しいでしょう。
むしろ、突発的にシフト変更が発生するため、予定が崩れやすいです。そうした急なシフト変更に対してきついと感じる人がいます。
部下を抱える場合がある
部下を抱えたときに発生する教育や育成に負担を感じる人もいます。
正社員になるとアルバイトやパートとして働く人たちの管理を任されることが多く、普段の業務に加えて新人育成や現場研修を任される場合が少なくありません。
日常業務を通常通り行うのに加えて、アルバイトやパートの管理も行わなくてはならないのは大変です。
しかし、自分が教育を担当したスタッフが仕事に貢献している姿を見たとき、「あのときの努力は無駄ではなかった」と救われることになるでしょう。
体力が必要
ホテルで働く正社員は、シフトによっては日中・夜中に関係なく働く必要があり、業務が多岐にわたるため、肉体的・精神的に疲れやすい仕事といえます。
仕事自体が宿泊部門、宴会部門、料飲部門、調理部門、管理・営業部門と分かれており、場合によっては他部門の業務も兼任しなくてはならないため、一定の体力が求められます。
仕事によってはメンタルの強さが求められる場面もあるなど、肉体的・精神的に疲労が蓄積する可能性もゼロではありません。
身だしなみに厳しい
ホテルの仕事は、一般的なサービス業よりも身だしなみに厳しい傾向にあります。
清潔なホテルで働く従業員として、礼節のある髪型や服装が求められ、だらしない格好をしているとすぐに指摘されます。
男性も女性もホテル指定の制服を常に着用し、姿勢から背筋に至るまで気を配らなくてはなりません。
お客さまに不快感を与えないよう常に清潔な身だしなみに気を配らなければならないため、気疲れする人も中にはいます。
連休が取りづらい
ホテルという施設の性質上、毎年特定のシーズンになると連休が取りづらくなります。
まとまった休みが取れないことからリフレッシュする機会を得られず、疲労やストレスが溜まってしまう人もいます。
しかし、ホテルは世間が大型連休や長期休暇に入るタイミングで忙しくなるため、休みを謳歌している人のために働かなくてはなりません。
自分の好きなタイミングで長期連休を取って、海外旅行に行ったり故郷に帰省したりしたい場合、要望が通りにくいと考えておく必要があります。
管理職になると残業代が出ない場合がある
ホテルの正社員だけではありませんが、管理職になると残業代が出ない場合があります。
通常はシフト時間外に働くと残業代が支給されますが、管理職は社員ではなく役員の立場となるため、残業代が出なくなるわけです。
今までは働けば働いた分給与がもらえていたのに、管理職になった途端に残業代がもらえなくなるのはきついと感じるかもしれません。
しかし、管理職には通常、より高い基本給や役職手当が支給されることが多く、これらが残業代の代替として機能することがあります。
また、管理職には意思決定の権限や裁量が与えられ、キャリアアップの機会も増えるため、長期的には有利な立場になる可能性があります。
ホテルの正社員の基本的な仕事内容
ホテルの正社員は、部門ごとに仕事が変わるため、事前に把握しておくことが大切です。
ここでは、ホテルの正社員の基本的な仕事内容について詳しく解説します。
宿泊部門
宿泊部門は、ホテルの根幹となる客室の予約やお客さまの接遇を担当する部門です。
主な仕事としては、以下のようなものがあります。
- フロント
- コンシェルジュ
- ベルアテンダント
- ドアアテンダント
- ハウスキーパー
ホテル業務の花形とされるフロントは、宿泊客のチェックイン・チェックアウトの手続き、宿泊予約の受付、館内の案内や情報提供、会計が主な仕事となります。
コンシェルジュは宿泊客のリクエストに答える仕事、ベルアテンダントは宿泊客の荷物をロビーや客室まで届ける仕事、ドアアテンダントは宿泊客をスムーズに導く仕事です。
ハウスキーパーは、客室の清掃を担当する仕事で、設備の点検や備品の補充、アメニティの用意やルームサービスの対応を行うのが一般的といえるでしょう。
宴会部門
宴会部門は、結婚式・パーティーなどの手配や準備、当日の運営を担当する部門です。
主な仕事としては、以下のようなものがあります。
- 宴会予約
- クローク業務
- サービス業務
宴会予約では、営業担当者が受けた結婚式やパーティーなどの予約を引き継ぎ、お客さまと打ち合わせを行って準備を進めるのが主な仕事となります。
クローク業務は宴会場を訪れたゲストのコートや手荷物を預かる仕事、サービス業務は会場設営や飲食物の提供など宴会全体のオペレーションを行う仕事です。
料飲部門
料飲部門は、施設内にあるレストランやカフェ、バーなどで接客を担当する部門です。
主な仕事としては、以下のようなものがあります。
- レセプショニスト
- ウェイター/ウェイトレス
- ルームサービス
- バーテンダー
- ソムリエ
レセプショニストは、レストランの予約やお客様の案内、会計を行うのが主な仕事となります。
ウェイター・ウェイトレスは料理やお酒の提供を行う仕事、ルームサービスはお客さまが注文したメニューを客室まで運ぶ仕事、バーテンダーはお客さまの注文に合わせてお酒をつくる仕事です。
ソムリエは、ゲストに合うワインを選んで提供するのが仕事となるでしょう。
調理部門
調理部門は、施設内にあるレストランやカフェ、バーで調理を担当する部門です。
主な仕事としては、以下のようなものがあります。
- シェフ
- ブッチャー
- ベーカー
- ペストリー
- ガテマンジャー
シェフは、調理スタッフ全体の指揮を取る調理責任者で、メニュー全体を決めたり、食材の吟味・仕入れを行ったり、味をチェックしたりするのが主な仕事となります。
ブッチャーは食肉の下処理を行う仕事、ベーカーはパンを焼く仕事、ペストリーはデザートを作る仕事、ガテマンジャーはサラダやカルパッチョなどの料理を盛り合わせる仕事です。
管理・営業部門
管理・営業部門は、ホテルの運営に関する業務を担当する部門です。
主な仕事には広報、人事、施設管理、セールス、企画などがあります。
どの仕事もホテルの経営を裏側から支える仕事で、現場に出て対応することはほとんどありません。
しかし、広報はホテルの魅力を伝え、人事はスタッフを集め、施設管理はエレベーターや空調を整えるなどどれも必要不可欠な仕事といえるでしょう。
セールスや企画もホテルの宿泊・飲食・宴会を支える大切な業務となります。すべての仕事が滞りなく遂行されて、初めてホテルは快適な状態を保つことができます。
ホテルの仕事はメリットも多くある
ホテルの仕事はきついことばかりではなく、大きなやりがいと感じられる場面が多々あります。
ここでは、ホテルの仕事のメリットについて詳しく解説します。
利用者から感謝される機会が多い
ホテルでの多くの業務は、お客さまをおもてなしするためにあるため、利用者から感謝される機会が多いです。
お客さまと向き合ってサービスを提供する場面が多々あるため、直接「ありがとう」という言葉をもらえることがあります。
人から直接感謝される仕事に就きたい人、接客が好きな人にとっては天職といえるでしょう。
語学力の上達・活用ができる
日本には毎年何百万人という外国人観光客が訪れており、ホテルを利用する機会が多いです。
そのため、外国人の利用者とのコミュニケーションを通じて、語学力の上達に期待できる仕事といえます。
例えば、座学だけでは養えない英語の応用力・活用力を養えるため、外国語のコミュニケーション能力を磨きたい人にとっては、大きなやりがいを感じられるでしょう。
仕事がマンネリ化しにくい
ホテルの仕事は、各部門・部署ごとに多種多様な業務が用意されているため、仕事がマンネリ化しにくいです。
担当部署のルーチンワークだけではなく、場合によっては他の部門と協力する場面があるため、適度に刺激を受けられます。
正社員の場合は他部門を転々としながら実績を積み、将来的にホテルの運営に回ることが可能です。
その結果、さまざまな分野の仕事に挑戦できる機会があり、マンネリ化を防げます。
ホテルの正社員に向いている人の特徴
ホテルの正社員には、コミュニケーション能力が高い人やホスピタリティ精神がある人、チームプレイができる人に最適です。
ここでは、ホテルの正社員に向いている人の特徴について詳しく解説します。
コミュニケーション能力が高い
ホテルの正社員に求められる大きな要素として、コミュニケーション能力の高さがあります。
仕事の性質上、会社の同僚だけでなく、多種多様なお客様への丁寧な対応が求められます。
時には海外からのお客さまに対応することがあるため、コミュニケーション能力が高ければ高いほど、スキルを活かせる機会があるでしょう。
普段コミュニケーションを取れない世界中の人と会話できるチャンスがあるため、人と接することが好きな人に適した仕事といえます。
ホスピタリティ精神がある
ホテルの正社員は、ホスピタリティ精神がある人、要は「おもてなしの心」がある人に適しています。
ホテルは宿泊客だけでなく、結婚式やパーティーのゲストに丁寧な対応をしなければならないため、ホスピタリティが欠かせません。
お客さまが何を求めているのか常に考えて動ける人ほど、ホテルの従業員に向いているでしょう。
チームプレイができる
ホテルの正社員は、チームのことを考えて行動できる人に向いています。
ホテルの仕事は各部門が連携しており、どの部門が欠けても業務に支障が出るため、チームプレイが必須です。
他の部門と密に連携して対応しなければならない仕事もあるため、優先順位を考えて柔軟的に行動できる人ほど現場で重宝されます。
部門が多数存在するからこそ、部門を跨いで仕事仲間との絆を深める機会があります。
まとめ
ホテルで働く正社員の仕事は、肉体的・精神的にきつく感じる場面もありますが、お客さまから直接感謝の言葉をいただくことで、そのきつさも忘れてしまいます。
人と接することが好きな人、多国籍なコミュニケーションを通じて語学力を養いたい人などにとっては、ホテルの正社員が天職となることもあります。
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